【文楽舎ってどんなところ?】
どのような場所なんですか?
近くにある小・中学校の通学路に面した、住宅街の一軒家です。大きな看板も出ていません。そこへ学校からの帰り道、道草を食うように寄り道をして、おやつを食べたり、遊んだり、好きなように自分の「自由」を作り、みんなでお互いにそれを守っています。近隣の小・中学校とは連携をとり、家庭・学校・文楽舎が、寄り道することを共有し合っています。宿題をしたり、ご飯を食べたり、時にはケンカもします。家ではいつもひとりぼっちという時間を、いろいろな事情で家にいられないという時間を、心を休める時間を、みんなで一緒に過ごすところです。
何をしているのですか?
「何もしない」をしています。それはスタッフが、いつもすぐそばにいるのに、口出ししないし手出しもしないということです。何よりも「模範解答」を押し付けないということです。文楽舎の中でどんな活動をするか、今日一日どのような過ごし方をするかは、子どもたち自身が常に自分の頭で考えて行動することを促しいています。そしてその実現に必要なことはできる限りフォローをしていますし、必要な物は極力用意するようにしています。
どのような人が来ているのですか?
もし「ふつう」という言葉を、異質なものを排除するために遣うなら、私たちはこの言葉を厭います。しかし、傷や悩みを、その大小はあれ例外なくすべての子どもたちや青年たちが抱えているのだとするなら、文楽舎に来る子どもや青年は、きわめて「ふつう」です。
障がいがあろうが不登校状態であろうが、いじめにあっていようがネグレクトされていようが、経済困窮にあろうが「問題行動」を起こしていようが、その根っこにあるのは子どもたちの痛切な叫び(SOS)だと考えています。目に見えている「問題」の責任を、子どもたちだけに背負わせることはできません。
文楽舎では、今背負っている辛い重荷をいったん下ろすことから始めます。身軽になる時間と場所を用意します。そして身軽になったら、隣の人の荷物を少しだけ背負ってあげるのもいいかもしれません。みんなの笑顔のために、お互いに認め合い、一緒に助け合っています。
食事が出るのですか?
活動日には毎日、おやつ(軽食=ミニチャーハンやスパゲティ、そうめんなど)を出しています。好き嫌いがあるのも、食べる食べないも自由ですし、食べる時間帯も自由です。食のアレルギーに対する対応や宗教的配慮も行なっています。
毎週金曜日には、ミニではない夕食を出しています。食事の際のルールはみんなで決めて、現在ではなるべく全員一緒にテーブルを囲んで食べるようになっています。
勉強は教えてもらえるのですか?
スタッフや正会員には、幼稚園教諭、保育士の他、元学習塾経営者、元高校校長や教員(中学・高校)、塾講師経験者などがいます。ただし、学習塾や学校のように「教える」ことはしていません。教育に関しての指導経験者ですが、文楽舎ではその学び方の姿勢や方針に独自の考え方を持っており、勉強や学習の形が、学習塾が行なっているような取り組み方とは異なります。そのことをご理解いただいたうえで、進路相談や受験対応、学校訪問などを行ないます。なお、現在塾などに通われている方は、日ごろの学び方との違いに子どもたちが混乱する恐れがあるため、ご遠慮いただくこともあります。
【文楽舎に行ってみたい】
どんな人が行ってもいいのですか?
文楽舎の活動に参加する際、資格や制限はありません。だれでも(最初は事前に話し合いの時を持ちます)顔を出してください。ただ文楽舎の姿勢として、現在困りごとに悩んでいる人、傷ついて辛い人、心配なことがある人、自分の居場所が見つからずに孤独感を感じている人を優先対象にしたいと願っています。申し訳ありませんが、活動規模が小さいため、家庭や学校の他、塾や習い事など様々なコミュニティに参加され、自分の居場所を持って元気いっぱいの方は、そうではない子どもたちの居場所を優先的に確保したいため、ご遠慮願う場合があることをご理解ください。
また、めったにないことですが、「ひやかし」のように訪れる人がいます。その場合は、舎の子どもたちを守るためにも、お断りしています。
いつ行けばいいですか?
原則として平日の午後から夜まで開いています。
文楽舎は来てもいいけれど、来なくてもいいところです。ですから行かなくちゃいけないということはありません。突然行きたくなくなることもあります。その原因をわかりたいとは思いながらも、ことさらに参加を強要することはありません。毎日顔を出す子どもたちがほとんどですが、自分で来舎曜日や時間を計画し、自主的に行動することを促しています。月に1度という子も、半年ぶりという子もいます。それでも必要な時期に顔を出せるよう、いつもと変わらない環境を備えて待っています。
なお、個人的な事情や不登校、行きしぶり状態などで、みんなと会いたくないといった場合も考えられます。その際には、活動時間外であっても対応したり、休舎日であっても、必要と判断した場合は開扉したりしています。平日の夜中でも、突然のLINE連絡に舎の扉を開けて、朝方まで相談にのることなどもあります。
費用はいくらですか?
文楽舎の活動に参加するための入会金や月謝のようなものはありません。無料です。ただ、現在来舎している子どもたちの保護者の方々の中には、定期的にご寄付をして下さる方々がいらっしゃいます。また、かつては文楽舎に通っていた子で、現在は成人された人の保護者が、舎の存在意義を大切に思って寄付金をくださったり、活動に賛同してくださっている全国の支援者様や団体様からのご寄付を頂戴したりしています。これから参加してみようかなという皆様にも、ぜひ文楽舎をお支えいただきたいと思う一方で、経済的にお困りの方は遠慮なされることなくお申し出いただき、金銭のことで参加を躊躇したり、つまずかれたりすることのないようにと願っております。
手続きはどのようにしたらよいですか?
最初に話し合いの時を持ちます。単なる事務的な手続きというよりも、信頼関係を作るための大切な話し合いだとお考えください。ただし、とても大変な悩みがないと来てはいけないというようなことはありません。もし少しでも辛いことがあるのなら、ご自分で判断せず、一度お問い合わせください。私どもと話し合ううちに、子どもも保護者も元気になることがあります。 その後はご家族でも話し合いを重ねていただき、文楽舎をどうしても必要とされる方、また私どもでも責任をもってお手伝いができると判断した方と、個人的な情報を共有させていただきます。
子どもが連絡してもいいですか?
もちろんかまいません。顔を会わせなくてもいいです。最初は名前や住所も聞きません。いま辛いことを抱えているなら、お話しください。その後、もしよろしければ、実際に会ってお話ししましょう。その際、保護者(家の人)に知られたくない場合は、そのことを私たちに伝えてください。秘密は守ります。また、諸事情で女性スタッフと面会したい、若い人に話を聞いてもらいたいといった場合も、遠慮しないで申し出て下さい。なるべくご希望に添います。
【ボランティアをしてみたい】
ボランティアはどのようなことをするのですか?
ボランティアの方は、協働会員になっていただきます。募集する際には、ホームページでご案内いたします。
ふだんの「みちくさ」「よりば」といった活動では、集ってくる子どもたちの中に入り、一緒の時間を過ごすことが主な活動になります。幼少の子と一緒に遊んだり、宿題をしている子の隣で見守ったり。いっしょにご飯を食べるのもいいですし、子どもが寝ていたら、近くで昼寝していても構いません。
不明なことをわかりたいという意欲がある子には、できるだけ最小限のアドバイスをしてみてください。受験勉強をしている子にもアドバイス程度にとどめ、難しい問題にぶつかったら、「教える」のではなく、一緒にその問題を解いてみてください。その姿を子どもたちは見ています。
毎日ボランティアに行くことが難しいのですが…
季節ごとの行事やパーティなど、普段の活動とは違うイベントや、さらに「おさんぽ」「おでかけ」といった外へ出かけていくイベントがあります。その引率の際、スタッフの手が足りないことがあります。募集の際にはホームページ等でご案内いたしますが、まず私たちと信頼を築き合うために、いっしょにお茶しませんか。
ボランティアをするうえで、気をつけることは何ですか?
文楽舎は他の社会や共同体とは少し異なるコミュニティなので、「ふつう」と言われている習慣やルールが違っていることがあります。何か「事」が起きたら、すぐに善し悪しを判断するのではなく、その「事」の前で、子どもたちと一緒に考えてみてください。
そしてその結果、私たちは敢えて何もしないで、子どもたちをそのままそっとしておく、ということになったとしても、その選択も大切な活動だと考えています。
文楽舎の活動とは、何かしなければならないことがあって、それをただこなしていくというものではありません。つねに自分の頭で何をするかを考えることが大事になってきます。そしてそれは私たちスタッフも同じです。
一番大切な活動とは、臨機応変に、何をするか、何をしないかを判断していただくことかもしれません。
【寄付などで応援したい】
文楽舎の活動を支援したいのですが、どうしたらいいですか?
①実際の活動には参加できないが遠くから応援したいという方は、ぜひ寄付金で応援してください。単発の寄付金は銀行と郵便局から振り込みで送金できます。またAMAZONギフトやクラウドファンディングの募集をすることがあります。その他の物品でのご寄付はその時々で需要が違いますので、一度お問い合わせくださると助かります。
②実際にボランティアなどで活動に参加したいという方は、協働会員になっていただきます。プロジェクトによっては、一緒に活動していただく人たちの手をお借りしたい場合があります。募集時期は決まっていませんが、詳細はホームページなどの案内をご覧ください。
法人や会社ですが、応援できますか?
ありがとうございます。個人としてだけではなく、団体として会員になることができます。事業を推進する会員になっていただく場合や、寄付金や物品でご支援をしていただく場合、また実際にボランティアなどで活動をサポートしていただく場合など、個人での活動と同じように応援していただけます。詳細につきましては、ぜひお問い合わせください。
お金のやり取りに不安があります
私たちの役員の中には、弁護士や税理士など専門職についている者がおります。もしご不明な点、ご心配な点がある場合、法律上のことや、税務上のことは、専門家が対応させていただきます。また遺贈寄付などのお気持ちに対しても、専門家が対応させていただきます。
領収書を発行してもらえますか?
はい。ご寄付をしていただいた方には、原則としてメールで「寄付金受領書」をお送りしますが、紙の領収書をご希望の方には、その旨ご一報いただければ、郵送させていただきす。
ご寄付いただく場合には、お名前、メールアドレス、住所、お電話番号をお尋ねします。その際、いただいた情報に関しましては、個人情報保護法に準拠いたします。
確定申告で税制優遇(寄付金控除)を受けたいのですが…
誠に申し訳ありませんが、寄付金控除を受けることはできません。当法人は、現在NPO法人の認証を受けている段階であり、認定NPO法人とは異なります。従いまして、税制優遇は受けられません。当法人が発行する「寄付金受領書」は領収書と同じで、寄付金控除を受けるための寄付金受領証明書ではありません。
匿名で寄付したいのですが…
もちろん構いません。その旨お知らせください。
私どもの活動は皆様のご寄付で支えられています。返礼品等の御礼はできませんが、感謝の気持ちを込めて、ご寄付をしてくださった方のお名前や団体企業様のロゴなどを、ホームページやニュースレターなどに公開させていただく場合があります。その際、匿名ご希望の方は、名前を伏せる形やニックネーム(他の方に迷惑のかからないご希望の名称)などで公開させていただきます。
【その他】
卒論、ゼミレポートの参考にしたいので、見学してもいいですか?
誠に申し訳ありませんが、見学はお断りしています。現在集っている子どもたちの中には、いろいろなかたちの「重荷」を抱えている子どももいます。人とのかかわり方において、非常にセンシティヴな部分を扱わなければならない場でもあります。私たちスタッフとも長い時間をかけてやっと慣れ始めたという子もいます。私どもスタッフが活動についてのお話しをさせていただくことはできますが、活動現場の見学はご遠慮いただいております。
取材をしたいのですが…
はい、ありがとうございます。代表やスタッフが取材を受け、お話しさせていただくことはできます。ただし、活動している場所をご覧いただいたり写真撮影をしたりすることは難しいこともございます。どうしても必要になる際はご相談させてください。
また、誤解が生じるのを避けるためにも、公開前に一度記事内容を拝見させていただけると幸甚です。
講演をお願いできますか?
代表理事がお話しさせていただくことができます。その際は対象がどのような方々向けであるのかをお知らせいただくと共に、細かい事前の打ち合わせをさせていただきたく存じます。これまでに、NPO団体の集まり、キリスト教教会、様々な研修会、幼稚園の先生向けの会、中学校、高等学校、大学、仏教系団体集会、社会福祉協議会シンポジウムなどでお話しさせていただきました。

